九州派展 戦後の福岡で産声を上げた、奇跡の前衛集団。その歴史を再訪する

公開デモンストレーション(警固公園)1958年

公開デモンストレーション(警固公園)1958年

福岡の戦後美術史を語る上で忘れてはならない動向が、前衛美術集団「九州派」の活動です。1957(昭和32)年、桜井孝身、オチオサムらを中心に福岡の若い画家たちが集い、「地方」と「生活」をよりどころに、東京中心の既存の美術システムから成立した活動を試みたグループです。三井三池争議を中心とした労働争議の盛り上がりを背景に、生活者の視点から「前衛」を標榜した点は、当時数多くあった前衛グループの中でも異彩を放っています。

 九州派については、当館で1988(昭和63)年に初めて回顧展が開かれ、その後主要な作品は当館で収集し、折に触れ、常設展示を行ってきました。その間に国内外で新たな視点から九州派の再評価がなされつつあり、戦後美術史における九州派の位置は重要さを増しています。

本展では、当館所蔵品を中心として、元九州派の美術家、所蔵家、他の美術館の所蔵品など約60点を展示し、関連資料の紹介も充実させて九州派の全貌に迫ります。グループ結成からまもなく60年が経過しようという今、「地方」で「前衛」を名乗った美術家たちの作品群は、色あせるどころか、むしろ輝きを増しています。激動の時代に向き合った画家たちの「熱気」は、「戦後」という時代、「福岡」という地方についての捉え直しを、いま私たちに迫っているように思えます。

|出品作家|
桜井孝身、オチオサム、石橋泰幸、菊畑茂久馬、田部光子、山内重太郎、宮崎準之助、米倉 徳、尾花成春、尾張 猛、俣野 衛、谷口利夫、大山右一、寺田健一郎、働 正、大黒愛子、八柄雄、斎藤秀三郎、磨墨静量、木下 新、舟木富治
|出品作品リスト|

関連プログラム

記念講演会

日時
11月7日(土)14:00 - 15:30
講師
成相 肇 氏(東京ステーションギャラリー学芸員)

成相氏は、「石子順造的世界 美術発・マンガ経由・キッチュ行」展(2012年)、「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン「遠く」へ行きたい」(2014年)など意欲的な企画展で、戦後美術に新たな視点を提供する若き研究者。彼の視点から見える「九州派」の風景はどのように見えるのでしょうか?

つきなみ講座

日時
10月31日(土) 14:00 - 15:30
講師
山口洋三(福岡市美術館学芸員)

「九州派」とはどのようなグループであり、運動であったかをわかりやすく解説します。講演のあと、展覧会場にてギャラリートークを行います。(常設展示観覧券が必要です)

※いずれも会場は福岡市美術館1階教養講座室、定員50名、聴講無料。先着順で、開始30分前より受付をいたします。

|会場|

福岡市美術館 企画展示室・小作品室・日本画工芸室

〒810-0051 福岡市中央区大濠公園1-6 Tel. 092-714-6051

アクセスはこちら

|開館時間|
9:30 - 17:30[入館は17:00まで]
|休館日|
毎週月曜日[11/23、1/11は祝日のため開館]、11/24、12/28 - 1/4、1/12
|観覧料|

常設展示観覧料 一般200円(150円)、高大生150円(100円)、中学生以下無料。

※( )内は20名以上の団体料金。

※次の手帳等をご提示の方は無料:療育手帳・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳(以上は介護者1名を含む) / 特定疾患医療受給者証 / 先天性血液凝固因子障害等医療受給者証 / 小児慢性特定疾患医療受診券 福岡市、北九州市、熊本市、鹿児島市在住で、住所と65歳以上を確認できる証明書

|主催|
福岡市美術館
|助成|
芸術文化振興基金、(公財)福岡文化財団

関連書籍

福岡市美術館業叢書6九州派資料集

編集
福岡市美術館
発行
(公財)福岡市文化芸術振興財団
制作・販売
グラムブックス
価格
4000円(税別)