御室の桜
1933年

1933年
冨田溪仙
(1879/福岡−1936/京都)
絹本着色、二曲二双屏風
各168.1×184.6cm
   御室とは京都仁和寺の別称。桜の名所として有名ですが、溪仙は花の盛りではなく、冬の御室の桜を見て本作品を着想したと伝えます。枝振りがむき出しになった枯れ木を前にして、それぞれの桜の個性を見極め、絵の中に花を咲かせたのです。博多出身の溪仙は、京都で四条派を学び、後には富岡鉄斎や仙がいに傾倒し、和漢の学識を背景とする奔放な作風で、異色の日本画家として活躍しました。第20回再興院展に出品され、高い評価を受けた本作品は、溪仙晩年の新境地である花鳥画のはじまりを告げる重要作であると同時に、生涯の代表作でもあります。
 

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