©Salvador Dali, Foundation Gala-Salvador Dali, VEGAP, Madrid & SPDA, Tokyo, 2013
D0185
ポルト・リガトの聖母 1950年

サルヴァドール・ダリ
(1904/スペイン-1989/スペイン)
油彩・画布 275.3×209.8cm


 
シュルレアリスムの作家のひとりとして知られるダリは、戦後は運動から遠ざかり、カトリックの教義とヨーロッパの古典絵画への関心を深めました。その一方で、原爆投下に衝撃を受け、原子物理学にも傾倒してゆきました。本作品は、ダリのこうした戦後の新しい展開を考える上で極めて重要な作品です。キリスト教絵画の伝統的な図像を引用しながらも、全体の構図は原子核構造と重なっています。さらに、聖母マリアはダリの愛妻ガラに置き換えられています。核の恐怖に支配された世界にあってはもはや「神」など存在せず、ただ創造の源泉である愛妻ガラだけが自ら信ずるに足るものだ、とダリはいいたかったのかもしれません。

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