筑前藩主黒田家に伝来した鞍で、黒田氏の祖先の佐々木高綱が、宇治川の戦い(1184年1月20日)において梶原景季と先陣を争った時、愛馬生(いけずき)に付けて使用した品と伝えられます。黒漆地に白貝の螺鈿で波文を表わした和鞍で、二枚の居木(いぎ)と前輪(まえわ)、後輪(しずわ)の四点から構成されます。前輪、後輪ともに外側の起伏が豊かで、総体に量感にとんだ雄渾な姿形を示しています。また前輪・後輪の内外面や居木の上面などに施した螺鈿文様は、薄い夜光貝を使った精巧なもので、鎌倉時代の鞍の特色をよく伝える貴重な作例です。「平家波」と称されるこの波文は、六本の曲線で構成される小単位を縦横に組み合わせ、自然でダイナミックな波の感じを巧みに表現しており、『三十六人集』(国宝、西本願寺)や『平家納経』(国宝、厳島神社)の料紙に類似した文様が見えることなどから、王朝風の美的趣味を背景として製作されていることが見て取れます。
波文螺鈿鞍 重要文化財

鎌倉時代 13世紀
前輪高26.9cm
居木長42.4cm

 
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波文螺鈿鞍
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三十六歌仙画冊