9~15世紀にかけて現在のカンボジア領域を中心に強大な勢力を誇ったアンコール王朝は、世界遺産アンコール・ワットに代表される豪壮華麗なヒンドゥー教、仏教の石造美術を残しました。本展では、小国が乱立したプレ・アンコール時代(8世紀以前)から、アンコール王朝の成立以降の時代を網羅したヒンドゥー教、仏教の丸彫り像群により、東南アジア史上に燦然と輝くアンコール・ワット美術の形成過程を辿ります。さらにアンコール王朝の盛期にあたる11~13世紀に現在のミャンマー領域のほぼ全域に君臨したパガン王朝や、6~11世紀頃にかけて現在のタイ領域に繁栄した仏教大国ドヴァーラヴァティー国の石造美術なども紹介し、インドシナ半島における豊かな宗教彫刻の世界へと誘います。(展示総数116件)