芸術の革命は成ったか?
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菊畑茂久馬、福岡市美術館、7/9-8/28
 福岡市美術館と長崎県美術館は、「菊畑茂久馬回顧展 戦後/絵画」を共同開催いたします。2つの会場を用いて、複数の角度から菊畑茂久馬の全容にせまる試みです。
 菊畑茂久馬は、徳島県出身の父と長崎県五島出身の母との間に、1935(昭和10)年長崎市で生まれ、現在福岡市を拠点に制作を続ける画家です。
 美術大学へは行かずに絵画を独学。1957(昭和32)年に福岡市で結成された前衛美術集団「九州派」の主要メンバーとして活動して頭角を現し、卑俗な生活のエネルギーを絵画にくみ上げる方法論を学びました。その卓抜した造形センスが東京においても注目され、1962(昭和37)年には南画廊で初個展を開催。以降、国内外の美術館や画廊の企画展に出品を重ね、1960年代の「反芸術」の動向を代表する若手作家の1 人と目されました。
  しかし1960年代後半(昭和40年以降)は中央の美術界から身を引き、福岡県筑豊の炭鉱画家・山本作兵衛に私淑し、作品の研究を進める一方で、この頃米国より日本に返還された太平洋戦争記録画に関する論考を発表するなど、日本における近代以降の「美術」のあり方について独自の思考を突き詰めていきました。また他方、国内の公共空間において作品を制作あるいは監修するなど、画家に収まらない活動を展開。同時に、発表を前提としないままに数多くのオブジェを制作し、自らの表現の根源をつかもうと格闘しました。
 1983年、連作《天動説》を制作して約20年ぶりの個展を東京で開催。その後《月光》(1986-88年)、《月宮》(1988-89年)、《海道》(1990-97年)、《海 暖流・寒流》(1990年)、《舟歌》(1993-97年)、《天河》(1996-2003年)を連作形式で次々と発表。美術館レベルでの個展や回顧展も幾度か開催され、今や戦後美術を語る上で欠かすことの出来ない作家としての地位を得ております。
 本回顧展では、《ルーレット》や《天動説》などの代表作はむろんのこと、オブジェ、版画、さらに《天動説》以後の絵画シリーズの集大成となる新作《春風》にも注目します。 1988(昭和63)年以来23年ぶりの回顧展となります。
奴隷系図(貨幣)/1961(1983)年
奴隷系図(貨幣)/1961(1983)年
東京都現代美術館蔵
植物図鑑 二/1965年/いわき市立美術館蔵
植物図鑑 二/1965年/いわき市立美術館蔵
【各会場のテーマ】
福岡市美術館
戦後〈オブジェの観点から
<主な作品> 
天河 九州派時代の作品 ルーレット 
植物図鑑 チェリーピンク作戦 
オブジェ 版画 
山本作兵衛模写壁画 天動説 
新作「春風」 など 約230点

長崎県美術館
絵画〈タブローの観点から

<主な作品> 
新作「春風」 月光 月宮 海道  
海 暖流・寒流  舟歌  
奴隷系図(円鏡) 
ルーレットなど 約100点
イベント情報
※下記イベントは全て無料・申込み不要です。当日会場へお越しください。

●アーティスト・トーク「自作を語る@〜九州派・反芸術・オブジェ」
講師:菊畑茂久馬氏
日時: 2011年7月9日(土)午後2時 より
会場:福岡市美術館 1 階 講堂

●アーティスト・トーク「自作を語るA〜1970年代の沈黙から絵画への飛翔」
講師:菊畑茂久馬氏
日時: 2011年7月18日(月・祝)午後2時 より
会場:福岡市美術館1階 講堂

●関連セミナー「九州派:時代を駆け抜けた土着の前衛」
講師:山口洋三(福岡市美術館学芸員)
日時: 2011年7月30日(土)午後1時〜3時
会場:福岡市美術館 1 階 教養講座室
※終了後に展覧会場でギャラリートークを行います。(要観覧券)

●関連セミナー「オブジェからハプニングまで(仮題)」
講師:黒ダライ児氏(日本戦後美術研究家)
日時: 2011年8月20日(土)午後2時 より
会場:福岡市美術館1階 教養講座室

●番組上映会
菊畑茂久馬氏の仕事を紹介するテレビ番組を上映します。
A. 絵描きと戦争 [1981年 RKB毎日放送 菊畑茂久馬番組構成・出演 90分]
 

パリと東京を股にかけ、戦争画を描いて日本を追われた藤田嗣治と、八女の片田舎でカボチャやジャガイモを描いて一生を終えた坂本繁二郎。同時代に生きながら、全く異なる人生を歩んだ 2人の画家の姿を対照的にとらえ、時代と画家の関わり、そして画家の生き様について問いかける。東山魁夷、福沢一郎、岡本太郎、針生一郎ら多数の画家、評論家の貴重な証言が、内容に厚みを与えている。RKBディレクター木村栄文と菊畑茂久馬の才能がさえる迫真の映像は圧巻。1981年度文化庁芸術祭ドキュメンタリー部門優秀賞、テレビ大賞、放送文化基金賞受賞作品。

B.

200号の軌跡〜青に挑む画家〜 [1990年 NHK福岡放送局 菊畑茂久馬出演 30分]

 

大作絵画《海 暖流・寒流》の制作を追ったドキュメンタリー。制作の苦闘の中で、思い出される母の面影。絵とは何か、絵描きとは何かを問いかける姿は感動的である。

C.

チビとおっかあの福岡大空襲 [1997年 RKB毎日放送 菊畑茂久馬出演  45 分]

  油彩《天河》シリーズには、亡き母の思い出が込められているという。長崎県五島で過ごした少年時代や、福岡大空襲のエピソードを盛り込みながら、菊畑茂久馬の母との思い出を軸に作品に迫るドキュメンタリー。
D. 画家 菊畑茂久馬 春風のシンフォニー [2011年 RKB毎日放送 菊畑茂久馬出演 45分]
  「堂々たる叙情」を主題に、 2011 年の回顧展出品のために描いた新作絵画《春風》 12 点。過去の絵画作品とは全く異なる外観を見せる本作にはどんな思いが込められているのか?その制作過程を追いながら、近年にいたるまでの菊畑茂久馬の歩んだ道程をふり返る。
上映日程(いずれも午後2時より)
7/10 (日) 7/16 (土) 8/6 (土) 8/7 (日) 8/27 (土) 8/28 (日)
A , トーク B , C , D A , B B , C , D A , トーク C , D , トーク
※ 7/10、8/27、8/28は上映後菊畑氏によるトークがあります。
※上記日程は変更の可能性があります。

●アクロス文化学び塾「菊畑茂久馬・前衛画家の軌跡」
※本イベントのみ申込みが必要です。
講師:菊畑茂久馬氏
聞き手:山口洋三(福岡市美術館学芸員)
日時:2011年7月23日(土)午後2時〜3時30分(30分前より開場)
受講料:500円(講座当日に徴収します)
会場:アクロス福岡2階 セミナー室2
定員:70名
申込方法:アクロス文化観光情報ひろばカウンターまたはお電話にてお申し込みください。
電話:092-725-9100 (10:00〜18:00)
定員になり次第締め切りとなります。
本イベントの詳細はこちら
図録
図録
A4変形
326頁(出品作品図版・解説・作家インタビュー等)+89頁(英文・作品リスト・文献等)
グラムブックス刊
福岡市美術館・長崎県美術館企画監修
価格:3,000円(税込み)会期中のみ
※会期終了後は書店にて4,200円(税込み)で販売予定。


 
天動説 五/1983年/福岡市美術館蔵 天動説 五/1983年/福岡市美術館蔵
天河 十七/2003年/作家蔵 天河 十七/2003年/作家蔵
奴隷系図-円鏡による/1962年/徳島県立近代美術館蔵
奴隷系図-円鏡による/1962年/徳島県立近代美術館蔵


*掲載作品は、福岡市美術館にて展示