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休館中2019年3月21日開館予定

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建築とリニューアル

建築
水辺にたたずむ当館の建築の外見上の特徴は、赤茶色の外壁です。それはしばしば「煉瓦色」と呼ばれますが、その素材は磁器質タイルです。常滑焼(とこなめやき)の窯で焼かれた、複雑な色調のタイルは、竣工から年月を経ても全く色落ちすることなく、ますますその輝きを増しています。
落ち着いた外観に包まれた当館建築の構造は、広い「エスプラナード」と呼ばれる広場とロビーを中心とした展示室等の配置が独特です。いわば、なかなか展示室にたどり着かない構造になっています。
リニューアル以前は、館内へのアプローチは、北側のエスプラナード側からと、南側のロータリー側からの2箇所でした。正面玄関とされる北側から入ると、勾配の緩い階段を上がり、エスプラナードを通っていつの間にか2階の入口に誘導され、館内に入ると広いロビーを通って3方向に広がる展示室(コレクション展示室、特別展示室、そして一般向けのギャラリー)に向かうことになります。

1階入口から入ると、正面に2階への階段と、コレクション展示室(古美術)への導入の廊下が見え、その奥に、洞窟のように展示室が配置されています。左を見れば、ホールを経て奥につながる廊下があり、その奥にはワークショップや講演会に参加できるアートスタジオ、レクチャールームがあります。いずれも広いロビーを通らなくてはなりません。
この配置には、建築家の意図が隠されています。
つまり、来館者は、展示室に入って作品を見る前にこの広い空間を通ることで、自らが日常から切り離され、これから芸術体験をするための準備をすることになるのです。

前川國男

前川國男
撮影者:廣田治雄 写真提供:前川建築設計事務所

当館の設計者は、日本近代建築の巨匠、前川國男(1905~1986)。若き日に世界的建築家のル・コルビュジエに西欧近代建築を学び、やがて日本を代表する建築家として頭角を現しました。岡山県庁舎(1957年)や東京文化会館(1961年)など多くの公共建築のほか、1960年代後半から各地で公立美術館・博物館の設計をしており、当館もその1つに数えられます。

リニューアル

新設した大濠公園側からのアプローチ

新設した大濠公園側からのアプローチ  
撮影:山中慎太郎(Qsyum!)

開館から長い年月が経過し、施設の老朽化が進んだため、2011年よりリニューアルの業務に着手しました。足かけ6年の準備期間を経て2016年9月より休館し、リニューアル工事に入りました。このリニューアルでは、民間の資金やノウハウ・技術力を活用して公共施設などを整備し、運営するPFI方式を採用することになりました。前川國男の建築意匠を継承するという前提のもと、展示・保存施設は言うに及ばず、各種講座室やアメニティ施設も全面的に更新するための長期の検討を重ねて、2019年3月21日にリニューアルオープンします。前川國男が遺した建築意匠を尊重しつつ、西側に新しいアプローチを設け、大濠公園でくつろぐ方々を館内に誘う機能を強化しました。レストラン、カフェ、情報コーナーなど、アメニティも一層充実させて、質の高い美術体験をご来館の皆さまに提供します。