休館中2019年3月21日開館予定

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福岡市美術館のコレクション

当館のコレクションには、20世紀以降の作品、すなわち近現代美術と、江戸時代以前の古美術とが共存しています。作品が生まれた時間的空間的幅も、紀元前5000年頃から紀元後2000年代、日本からアジア、ヨーロッパ、アメリカなど実に広く、作品の形状も絵画、彫刻、映像から屏風、陶磁器、染織と多岐にわたります。この多様さ・多彩さこそが、当館のコレクションの最大の特徴です。
収集活動は、下記の方針に則り1979年の開館に先立つ1974年から開始されました。以後、購入や、個人、篤志家からの寄贈により、一層の充実を見せています。その総数は16,000点を超えました。
所蔵した作品群は、美術史的な見地から調査研究を行い、コレクション展示室にて適切なテーマのもと紹介に努めています。また、当館コレクションの普及、美術史研究の進展への寄与、という観点から、国内外の美術館・博物館からの貸出要請には積極的に応じています。

収集方針

1. 近代の西日本出身者や関係の深い作家の絵画・彫刻・工芸作品を系統的に収集し、合わせて各種の関係美術資料を収集する。

地方美術館の責務としての収集分野です。「西日本」とは九州・沖縄・山口地域を指します。福岡市美術館の基本構想にある「西日本地域の美術センター」としての性格を反映したものです。近代日本の洋画家に、九州出身者が多かったということもその理由のひとつです(黒田清輝、吉田博、青木繁、坂本繁二郎など)。ラファエル・コラン《海辺にて》が、購入による収集第1号となっているのは、コランが黒田清輝らに影響を与えたから、という位置づけです。こうした近代洋画に加え、福岡の戦後美術史を回顧するうえで重要なグループ「朱貌社(しゅぼうしゃ)」、前衛美術グループ「九州派」の作品も収集しています。

2. 近現代美術の流れを展望できる内外のすぐれた作品を系統的に収集する。

現代美術の収集に関する項目です。当館が収集を開始した1970年代当時は、現代美術を収集対象としている美術館は限られており、その意味で、収集において独自性を出そうとしました。サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ、マルク・シャガール、アンディ・ウォーホル、そしてレオナール・フジタなどモダン・クラシックな画家たちの作品に加え、「具体美術協会」所属作家や、辰野登恵子、大竹伸朗、やなぎみわなどの国内現代作家、アニッシュ・カプーア、アンゼルム・キーファーなど海外現代作家の作品なども含まれます。またユニークなところでは、日本初の回顧展を開催した縁で、多くの作品が寄贈された幻想画家・藤野一友の作品群があります。 また、当初は本項にてアジアの現代美術も収集してきましたが、1999年の福岡アジア美術館開館以後は、アジア現代美術作品は同館に移管され、収集活動も同館が担っています。

3. 西日本に関係の深い近世以前の作品を収集する。

旧福岡藩主黒田家の什宝(黒田資料)、松永安左エ門旧蔵の茶道具(松永コレクション)、東光院仏教美術資料などが開館前後に寄贈または寄託され、古美術コレクションの代表格となっています。黒田資料、松永コレクション、東光院仏教美術資料には重要文化財が多数含まれています。1990年に福岡市博物館が開館したとき、黒田資料の内、国宝《金印》をはじめとする歴史的価値の高い資料が大量移管されましたが、それ以降は九州陶磁、仙厓作品、琉球美術を主な対象として収集しています。

4. 寄贈された一括コレクションに深い関わりのある作品を収集する。

1990年の福岡市博物館開館以降に追加された方針です。同館への大量の資料移管によって減少した古美術コレクションを補い充実させるため、「大名美術」(絵画、漆工芸など、黒田資料との関わり)、「茶道具」と「琳派」(松永コレクションとの関わり)を対象として収集を強化しました。その後、収集方針5(下記)によって寄贈を受けたさまざまな一括寄贈コレクションに関連して、広くアジアの美術工芸品も収集の対象となっています。

5. アジア美術(東洋美術)の独自性を示す、古代から近世以前までのすぐれた作品を収集する。

1999年の福岡アジア美術館開館以降に追加された方針です。同館ではアジアの近現代美術を収集しているのに対し、当館では古美術分野においてアジア関連の作品を収集しています。クスマ・コレクション(インドネシアの染織)、本多コレクション(インドシナの陶磁)、川村コレクション(インドシナの塼仏[せんぶつ])、リー・コレクション(プラナカン女性の衣装)といった東南アジア美術のほか、森田コレクションや門田コレクション(中国陶磁)、栗田コレクション(インダス土器)など、諸家からの一括寄贈によって古美術部門における新たな柱が形成されています。