肉筆浮世絵の世界　-美人画、風俗画、そして春画-

現代に名を残す浮世絵師の多くが、筆で描いた絵画である「肉筆浮世絵」（浮世絵師による肉筆画）を手がけたが、1点物である肉筆画の展示公開の機会は極めて限られている。本展では、展覧会準備中に新たに発見された喜多川歌麿《花魁と禿図》を含む、68名の浮世絵師による作品と無款の作品合わせて約170点の肉筆画を展示し、浮世絵の黎明期から終焉期までを辿った。また多くの浮世絵師が手がけた画題でありながら一般の目に触れることが少なかった春画を、浮世絵の重要な一部分として取り上げ、肉筆画を中心として代表的な版画も合わせて約30点（180図）を「春画展示室」（18歳以上のみ入室可能）で展示した。会期中、女性のみ・男性のみを対象としたギャラリートーク付き夜間開館「レディースナイト」「メンズナイト」を行い、春画を含む肉筆浮世絵の全容に親しく触れる機会を設けた。