2022年7月27日 16:07
はじめまして。4月から福岡市美術館の教育普及係に着任しました森元と申します。今回初めてブログを書くのでドキドキしながら書いていますが、ご一読していただければ幸いです。
さて、今日のブログでは、7月23日(土)に行った子ども向けワークショップ「水と色であそぶマーブリング」の様子を紹介します。マーブリングとは水面に絵の具を垂らして、混ぜたりしてマーブル模様をつくって紙に写し取る技法です。このワークショップは現在開催中の「夏休み子ども美術館2022 水のリズム」展のテーマにちなんで企画されました。
皆様はマーブリングの経験があるでしょうか? 私は小学生のときに図画工作の授業でやったことがあるのですが、紙に写った絵の具がとても薄くて「……?」と微妙だった思い出があります。当館の先輩から「マーブリングのワークショップをやります」と言われたときに、そのときの微妙な気持ちを思い出し、参加者に楽しんでもらえるのかな?と心の中でやや不安に思っていました。
しかし、その不安はすぐに払拭されました。ワークショップ講師として福岡教育大学の加藤隆之准教授をお招きしたのですが、加藤先生にいろいろと考えていただき、私たちにご教授いただいたおかげで、リハーサルそして本番とも、とても鮮やかなマーブリング作品ができあがりました。このワークショップでは、マーブリング技法専用の水よりとろりとした液体とアクリル絵の具を使用したのですが、それらの材料が発色の良い作品ができた秘密のようです。なるほど、私が小学生のときにやったのはただの水道水だったから薄くなったのか~と十数年経って気づくことができました。
リハーサルや準備を進め、来たる7月23日(土)。11時、13時半、15時と計3回に分けて実施の予定だったのですが、ありがたいことにどの回も定員の20名の倍の人たちが集まってくれました。そこで、午前の回は定員のほぼ倍の子どもたちを受け入れ、午後は急遽2回追加で行い(つまり計5回ワークショップをしました!)、なんと約120名もの子どもたちにマーブリングを楽しんでもらうことができました。
では、その内容もここで少しご紹介します。まず初めに、加藤先生と一緒に福岡教育大学から来てくれた学生スタッフさんに手順を見せてもらいます。参加してくれた子どもたちはみんな何が起こるのかとワクワク、キラキラした目で見つめていました。
説明を聞き終わって、自分たちもやってみるときがきた!ちょっと緊張した表情でトレーの中のマーブリング液に絵の具を垂らす子どもたち。未就学の子どもたちも対象でしたので、保護者にサポートしてもらいながら、思い思いの色で絵の具の流れをつくっていました。
マーブル模様ができたら、次は丸い厚紙(使い捨てコースターだそうです)を水面につけて模様を写し取ります。ノリノリで紙を浸ける子もいれば、おそるおそる慎重に行う子も。作品だけでなく、作品をつくる課程でも個性が出るんだなと見ていて思いました。
一人ひとりの制作の時間自体はそんなに長くなかったのですが、みんな満足そうに作品を持って保護者に見せたり、記念撮影をしたりと楽しんでもらえたようでした。
福岡市美術館に着任して初めての子どもたちとのワークショップ。120人の子どもたちの作品づくりをサポートするのは大変でしたが、笑顔で「ありがとう」と言われると嬉しく、私にとっても楽しい時間になりました。今回体験してもらったワークショップが、始まったばかりの夏休みの素敵な思い出の一つになるといいなと思います。
「水と色であそぶマーブリング」のもととなっている「夏休みこども美術館2022 水のリズム」展は8月21日まで。このブログを読まれている皆様も、美術館に遊びに来て楽しい夏の思い出をつくってもらえたら嬉しいです!
(教育普及専門員 森元美咲)