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花言葉は「ぶっ放せ!」

3月は別れの季節。30日に福岡市美術館でも3年ぶりに送別会を行いました。
定年退職、転職、任期満了とそれぞれに卒業を迎えた5人を送る会は、閉館後のレストランで。新天地で羽ばたいたり、人生の新たな局面を迎えたり…何を隠そう、その5人の1人が筆者でした。
旅立つ5人以外にも、嬉しいニュース&サプライズが満載で、シェフの心づくしの料理に舌鼓を打ちながら、笑いと感激の絶えないひと時を過ごしたのち、花束&プレゼント贈呈の時が来ました。

長く時を過ごした仲間からの渾身のチョイス。一つ一つ、贈呈のたびに披露されては歓声が上がります。最後に自分の番が回ってきた時に、いただいたのは、ひと抱えもある満開の桜の枝の花束でした。

手渡してくれたM学芸員は、さあ、あのポーズを!と、促します。あのポーズ?花束?と混乱していると、M学芸員がやって見せてくれたのは、インカ・ショニバレCBEの《桜を放つ女性》のライフルを構えるポーズでした。
うわー!!!!そういうことなのか!!!

ドレスを着た女性が構えるライフルから、満開の桜の枝が中空に解き放たれるダイナミックな作品は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。頭の代わりに据えられた地球儀には、ミシェル・オバマや市川房枝さんなど女性のエンパワーメントに功績のあった、女性の名が刻まれています。美術館のコレクションの代表的作品であるだけでなく、仕事でも深く関わった作品ではありますが、この時まで、あくまで鑑賞の対象だったことに気づきました。そうか、この作品はただ眺めるためにあるんじゃないんだ。自分もまた、自分なりのライフルを抱えて桜をぶっ放すんだ、ってことなんだ。

みんな、自分の桜をぶっ放そうぜ!そんなエールをもらった気がしました。

仲間に見送られていったん卒業をしましたが、改めて、福岡市美術館と福岡アジア美術館の館長を拝命しました。皆様、これからもどうかよろしくお願い申し上げます。
新しい学芸課長は、後藤恒学芸員。強くて優しい漢です。よきリーダーとして、しっかり舵取りをしてくれると思います。どうかよろしくお願い申し上げます。

《桜を放つ女性》のライフルから放たれる桜は、花の色が2色ある、現実には存在しない桜です。まだこの世にないものの象徴でもあります。
ミライの桜の花言葉は「ぶっ放せ!」
いざ。

(館長 岩永悦子)

 

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