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大先輩が西日本文化賞受賞!

どーも。総館長の中山です。昨日、11月3日文化の日は、当館の41回目の誕生日だったのですが、そんな開館記念日にふさわしく、うれしいことがありました。福岡市美術館の最初の学芸員であり、福岡アジア美術館の初代館長を務めた安永幸一さんが、西日本文化賞(地域の文化向上や発展に貢献した個人・団体に西日本新聞社から贈られる賞)を受賞され、その授賞式があったのです。

ダイバーシティ(多様性)を謳い、アジアのリーダー都市をめざす福岡市ですが、40年前に福岡市美術館が開館特別展「近代アジアの美術 インド・中国・日本」を企画、開催し、その後もアジア美術展を継続してきたことは、欧米偏重だった日本の美術館や美術界に、それこそ多様な視点と多様な価値観を持ち込んだ第一歩だったように思われます。その陣頭指揮を執ったのが安永さん。1999年には20年間の活動の結実として福岡アジア美術館が開館し、初代館長に迎えられました。

ところで、安永さんはわたしが学芸員として採用された時(1981年)の学芸課長でした。今でも鮮明に覚えてますが、私ともうひとりの新人学芸員が並んで座っている机から、応接セットを挟んだ真正面に安永さんの机があって、何しろ顔をあげると目と目が合う”危険性”が常にあったんです。いやあ、ビシビシ鍛えられました。誰かが「鬼軍曹」と言っていたようなおぼろな記憶もあります。ミスをしたり期待に応えられなかったり、出来の悪い私としては反論の余地なしなんですが、褒められたことよりも叱られたことのほうが圧倒的に多かったりして。企画展カタログのエッセイを最初から全部書き直し、ということもありましたね。

安永さんから、学芸員は時に勇猛果敢に決断し、実行し、どんどん前に進んでいくべきだということを学びました。いまだに、安永さんほどエネルギッシュな学芸員を知りません。ほぼ40年前のことです。え、そんな昔になるのか…。不肖の弟子も年をとりました。

これからも福岡の文化のため、お元気で活躍していただきたく思います。いつまでも偉大な大先輩としてご指導ください。ただ、さすがにビシビシは勘弁ですけど。そういえば、あの頃、六本松の雀荘でも週に数回、中国語の勉強をビシビシ指導されたなあ。 

(総館長 中山喜一朗)

前列右から2番目が安永幸一大先輩。後ろ中央は奥様(中山撮影)

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