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今年も5月18日は国際博物館の日

 みなさん5月18日は「国際博物館の日」ということを知っていますか?ICOM(国際博物館会議)という国際的な博物館組織が1977年に5月18日を国際博物館の日と設定し、それ以来世界中のミュージアムでこの日を中心にさまざまなプログラムが行われています。
 福岡でも、2009年からこの「国際博物館の日」にあわせ、福岡ミュージアムウィークを開催しています。今年は市内19の施設が参加し、5月13日(土)~21日(日)までの9日間、常設展の観覧料無料や、講演会、ワークショップなど魅力あるプログラムを実施します。

※福岡ミュージアムウィーク2023の詳細は下記リンクをご覧ください
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/bunka/charm/fukuokamuseumweek.html

 さて、先ほど紹介した「国際博物館の日」ですが、毎年ICOM(国際博物館会議)がテーマを決めています。今年は「Museums, Sustainability and Well-being」。日本語に訳してみると「博物館と持続可能性、ウェルビーイング(※1)」となります。
 どうして国際博物館の日のテーマが「持続可能性」や「ウェルビーイング」なのでしょうか。実はミュージアムとはとても繋がりがあるテーマなんです。そのためにまず2022年8月プラハ開催のICOM世界大会で決定した、新しい「博物館の定義」を見てみましょう。
※1 福岡市のHPでは、well-beingを「身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、人々の満足度や充実、幸せなどを表す」と定義しています。

【定義の英文】
A museum is a not-for-profit, permanent institution in the service of society that researches, collects, conserves, interprets and exhibits tangible and intangible heritage. Open to the public, accessible and inclusive, museums foster diversity and sustainability. They operate and communicate ethically, professionally and with the participation of communities, offering varied experiences for education, enjoyment, reflection and knowledge sharing.

【日本語訳文】
博物館は、有形および無形の遺産を研究、収集、保存、解釈、展示する、社会のための非営利の常設機関である。博物館は一般に公開され、誰もが利用でき、包摂的であって、多様性の持続可能性を育む。倫理的かつ専門性をもってコミュニケーションを図り、コミュニティの参加とともに博物館は活動し、教育、愉しみ、省察と知識共有のための様々な経験を提供する。
(ICOM日本委員会、引用元サイト:https://icomjapan.org/journal/2023/01/16/p-3188/

 この新しい定義の中で、博物館は「誰もが利用でき、包摂的であって、多様性の持続可能性を育む」場であると、はっきりと述べられています。「コミュニティの参加とともに博物館は活動し、教育、愉しみ、省察と知識共有のための様々な経験を提供」し、いかに人々のウェルビーイングを高めることができるのか、また、さまざまな人々が多様な価値観を持ちながらともに生きる社会の中で、博物館はどのようにその人々や社会に貢献し、社会的使命を果たすことが出来るのか。個人的には、ミュージアムで働く者として、国際博物館の日はいつもその問いに立ち返らせてくれる大切な日でもあります。

 福岡市美術館のミュージアムウィークに話を戻すと、今年はまさにそのテーマにぴったりの講演会があります。タイトルは「誰もが美術館を体験できるようになるには~美術館における『ユニバーサル』」とは何かを考える~」です。講師は、国立民族学博物館教授の広瀬浩二郎さんです。広瀬さんは、長年にわたり「触る」鑑賞や「触文化」について研究をされています。本講演では、そもそも視覚優位の考え方がある博物館(もちろん美術館も含まれます)を題材に、広瀬さんからユニバーサル・ミュージアムとは何かをテーマにお話していただきます。

■福岡ミュージアムウィーク2023記念講演会
「誰もが美術館を体験できるようになるには~美術館における『ユニバーサル』とは何かを考える~」
日時 2023年5月14日(日)14時~15時30分(13時30分開場)
会場 1階ミュージアムホール
定員 180人
講師 広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館教授)
参加無料、先着順。13時30分から整理券配布。
https://www.fukuoka-art-museum.jp/event/82478/

広瀬浩二郎氏

直方駅にある「魁皇」の像。背伸びをして正面から鎖骨をさわる広瀬先生

 

他にも、当日予約なしで参加できるプログラムがあります。

■つきなみ講座スペシャル 仙厓さんのすべて(6)
数多い仙厓の禅画の中でも最高難度の作品「〇△□」を、あらゆる角度から考えてみます。そこに、禅の真理と仙厓の目指したものの一端を読み取ることができるかもしれません。
日時 2023年5月20日(土)14時30分~16時(14時開場)
会場 1階ミュージアムホール
定員 180人
講師 中山喜一朗 (総館長)
参加無料、先着順。14時から整理券配布。
https://www.fukuoka-art-museum.jp/event/73287/

■ボランティアによるギャラリーツアー
当館のガイドボランティアが展示中のコレクションから3点を選び、一緒に鑑賞するツアーです。
日時 休館日を除く毎日 11時~、14時~(約40分) 
集合場所 1階ロビー
料金 ミュージアムウィーク期間中(5月13日~21日)は無料
※普段はコレクション展観覧料200円が必要ですが、ミュージアムウィーク期間中は無料になります。
https://www.fukuoka-art-museum.jp/event/3971/

皆さまの参加をお待ちしております。

(学芸員 教育普及担当 﨑田明香)

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