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FaN Week「コレクターズ アートと生きる四人」展とは⁈


 今年は、福岡市が福岡市美術館やアジア美術館のこれまでの取組みをさらに発展させ、彩りにあふれたアートのまちをめざす「FaN(Fukuoka Art Next)」の元年。

市民にとってはアートに親しむ機会が増え、アーティストにとっては活動、交流がしやすくなる、そんな街を目指してさまざまな取り組みを行っています。

 そうした取り組みが、ぎゅぎゅっと集中しているのが、9月23日(金祝)~10月10日(月祝)のFaN(Fukuoka Art Next)Week。福岡市美術館では、参加型ワークショップ(9月23,24日)やアート・マルシェ(9月23~25日)が開催されますが、なんといっても、ぜひ皆さんに見ていただきたいのが、家入一真氏、榎本二郎氏、小笠原治氏、熊谷正寿氏(50音順)の四人のコレクターの方々が出品してくださっている「コレクターズ アートと生きる四人」展です。

 通常美術館では、テーマを立てて展示を考えるか、一人のコレクターに集中して紹介するか、どちらかなので、4人のコレクターを一度に紹介する、ということに関わるのは、新しい経験でした。FaNを統括する福岡市経済観光文化局の仲間や、キュレーションを引き受けてくださった佐賀大学の花田伸一准教授、運営スタッフがそれぞれ役割分担をするという仕組みも初めて。その、どのチームが欠けてもてきなかったのが、この展覧会です。

 美術の世界、ことに展覧会は、アートコレクターの存在抜きには、成立しないというのが実情です。作品を収集し、さまざまなリスクから作品を護り、後世に伝えるということを、個人の力で行っているコレクターの協力なくしては、展覧会の開催はできません。

 いままで、どちらかというと、コレクターの皆さんは、スポットライトを作品に譲り、図録には「個人蔵」とだけ記されることが多い存在でした。ですが、この展覧会は、展示される作品とそれを所蔵するコレクターの皆さんの両方が「主役」です。アートファンであっても、作品を買うなんて考えたこともない、という方も多いでしょう。その対極にある「コレクター」は、どんな人たちなのか?を垣間見るチャンスでもあります。

 本展で紹介するコレクターの方々は、みなさん新しい分野で活躍されている経営者で、ご存じの方も多いのではないでしょうか。親子2代で美術コレクターの方もおられれば、美大を目指していた方、全くの畑違いだったのに⁉という方も。みなさん「コレクションをはじめたきっかけ」「コレクションのポリシーや楽しみ」「今回の出品作について」という質問にも答えてくださっています。仕事とアートと人生について、ストレートに語られているので、ぜひ、会場で作品とともにご覧いただきたいと思います。


 展示は、コレクションごとに、4つの壁面に展開しています。つまり、本来的には関連のない4つの個人コレクションが一つの空間に並ぶわけですが、結果として、ピカソなどの巨匠の作品にはじまり、イギリスを代表する現代美術アーティスト、ジュリアン・オピーへ、そして、日本の若手作家による2020年代の表現へと、4つの個性的なコレクションが、あたかも次々とバトンを渡していくような流れになっています。

 さて、「本来的には関連のない4つのコレクション」からなる今回の展示には、実はある共通点がありました。それは「福岡市美術館のコレクションにはない!」という点です。あの人の作品もこの人の作品も、残念ながら当館には所蔵されていません。ですので、ぜひ、この機会に多くの方に見ていただきたいと思います。そして、四人のコレクターたちの世界観にふれてください。会場を出る時には、自分だけの作品を探しに行きたくなるかもしれません。

「コレクターズ アートと生きる四人」
9月23日(金祝)~10月10日(月祝)
福岡市美術館 近現代美術室B
*要コレクション展観覧券

★おしらせ
FaN Week 期間中には、Artist Café Fukuoka(旧舞鶴中学校内)にて、今年アジア文化賞を受賞された、シャジア・シカンダー氏による大迫力アニメーション《視差》をご覧いただけるほか、9月23日13時~17時は、アーティスト・イン・レジデンス専用の制作スタジオの「オープンスタジオ」を開催します。
福岡市美術館から徒歩5分!ぜひ、どちらにもお運びください。

(館長 岩永悦子)

 

 

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