2019年6月7日 19:06
どーも。館長の中山です。とうとうリニューアルオープン記念展が終わりました。6万6千人を超えるたくさんの観覧者をお迎えすることができて大変うれしく思っています。
5月26日の最終日にはミュージアムウイーク関連イベントの一環で「建築ツアー」の案内役をやりました。今回は美術館の建築としての魅力発見、リニューアルの特徴紹介、バックヤードツアーという3つの要素を欲張ったもので、1時間半のツアーのあいだほとんどしゃべりっぱなし、歩きっぱなし、屋上へも登ったりして、少々疲れました。参加の方々もけっこう大変だったのではと思います。
ところで、建物というのは時間がたつとどうしても手狭になってしまうのに、逆に以前よりも広々となったところがあるんです。我々職員もめったに入らない「空調機械室」です。能力は以前のものより高いのに、機械の図体はずいぶん小さくなった。だからスペースに余裕ができて、案内するのも楽でした。
占有空間はどんどん小さく、かかる時間はどんどん短く。それが技術の進歩なのでしょう。新型の新幹線やリニアモーターカーなんかのニュースを見ていると、どこまで早くすれば気が済むのだろうとちょっと不安になるくらいです。早く移動すればその分時間があまる。長生きしても時間があまる。あまった時間はどうしましょうか。美術館にでも行って、のんびりする、というのはどうでしょう。なんかおかしい? まるで無駄に過ごす時間を増やすために技術の進歩があるみたい? でもそれ、おかしいことなのかな。
(館長 中山喜一朗)