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福岡市美術館ブログ

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お年賀

どーも。総館長の中山です。あけましておめでとうございます。と、ご挨拶するのも躊躇するほどコロナ禍がおさまりませんね。一都三県に8日から緊急事態宣言が発令され、福岡でも感染拡大が続いています。どうしましょう。

昨年12月に、柳川の立花家史料館の植野館長から「史料館、存亡の危機です」というお話を聞き、心底驚きました。入館者が激減しているミュージアムはたくさんあります。というか、当館も含めすべての美術館、博物館の入館者が大幅に減っています。特に旅行者や観光客などの団体入場が多い施設は大打撃です。また、立花家史料館を運営している立花財団は、公益財団法人ゆえに利益を蓄えておく内部留保ができず、このままでは「来年の春には財団の解散が余儀なくされ、資料も散逸ということになりかねない」と。そこで立花家史料館は、何とか今年の11月までは運営できるようにと600万円の目標額を設定したクラウドファンディングを始められました。私も微力ながら応援メッセージなどを書かせてもらいました。

うれしいことに、開始当日に寄付は目標額に達し、1月7日現在では1600万円を超える寄付が集まっています。戦国武将の人気ランキングで常に上位を占め、大河ドラマの主人公の資格十分な立花宗茂公も喜んでおられるでしょう。立花家の什宝と史料館の活動が、地域を超えていかに多くの人に愛されてきたかということの証明でもありました。

しかしです。当面の危機は脱したかもしれませんが、地域のかけがえのない文化財を守り公開していくミュージアムの財政基盤がこんなに脆弱なものでいいのかと考えさせられました。公益財団法人ゆえに内部留保ができないというのも、なんとなく引っかかります。存続できなければ、公益に資することもできないのですから。

アニメや漫画をはじめ、自由な表現活動があり、長い歴史と文化財があり、さまざまなミュージアムがあること、そういう文化の多様さ、豊かさに共感し、支えていくことは、いまの日本、これからの日本にとってとても大切なことなのだと感じました。

年の初めから堅苦しい話になりました。肩の力を抜いて、リラックスできますよう、私からかる―い年賀状をみなさんに送ります。やっぱり、あけましておめでとうございます。

総館長 中山喜一朗

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