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福岡市美術館ブログ

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カテゴリー:館長ブログ

館長ブログ

アフリカンプリントの夏

8月末だけど、まだ、夏ネタでもいいですよね。十分暑いですよね。
さて!ついに、念願のアフリカンプリントの扇子を買いました!

同僚のK課長が、一見和風だけどアフリカンプリントという、素敵な扇子を使っておられたのを見て、「いやー、やっぱりいいわ!夏は扇子だ!」と、休み時間にショップに直行。いくつか目星をつけていたのがあったのですが、新顔がずいぶん増えている…。

うわ。水玉でかっ。でも、なんか涼し気。というわけで、一目惚れ。あっさり決まりました。

買ってから、「なぜこれにしたのか」を振りかえってみました。(藤井八段の気分?)
煎じ詰めれば理由はふたつ。

1 水面をみているような心地よさ
2 謎な模様

よく考えると、これ、両方ともアフリカンプリントならでは、なのでした。

アフリカンプリントは、「アフリカン」といいながら、ルーツはインドネシアのバティック(ろうけつ染め)だし、工場で生産してアフリカに売り込んだのは、ヨーロッパ人や日本人だし、なかなかに複雑な歴史を抱えています。アフリカンプリントは大胆な柄と鮮やかな色彩が魅力。でも、アフリカンプリントの最大の特色は、アトランダムな白地の部分なのです。


布の上にワックスを置いた部分は染料に浸しても染まらないので、白地になります。白くするためにやっているので、こんな風にひびわれて青い染料が浸み出している状態って、本来的には不良品。でも「本当にろうけつ染めをしているからこそ、こんなひび割れができるわけです。1点、1点ちゃんとろうけつ染めで作っている証拠です!」というわけで、「高級品の証拠」として、あえてひび割れを作るようになりました。

水面を見ているように感じたのは、ひび割れが作るアトランダムな模様のなせるわざでした。どちらも自然に生まれる形だからなのでしょうね。

それにしても、この青い円はなんなんだ。結局謎のままなのですが、これもアフリカンプリントの楽しみではあります。アフリカンプリントを見れば見るほど、見知らぬ果物や、不思議な道具?にしょっちゅう出会います。初めてみる形に出会うと、グローバルな時代といっても、まだまだ知らないことばっかりだと、地球の大きさに打たれます。

というわけで、個人的には「わかった!これはきっとアニッシュ・カプーアの《虚ろなる母》だ!」と、妄想しております。この夏、当分この妄想で涼めそうです。

(館長 岩永悦子)

アニッシュ・カプーア《虚ろなる母》 2階コレクション展示室で、ぜひご確認ください。(←いや、絶対ちがうって 笑)。

共布のさやもついています。

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晴れました!

今日、福岡市はひさびさに晴れ!というわけで、ひさびさに、昼休みを美術館のカフェで過ごしました。お目当ては、これです。夏になると、いろんなところに、ソフトクリームの大きな立体の看板?が出てきますよね。普通は「ああー」と思いつつ、通り過ぎるわけですが、職場で毎日遭遇するとなると、誘惑に抗しきれない…。

ソフトクリームにもいろんなフレーバーがありますが、美術館のカフェのおすすめは、「木酢(きず)」。木酢は、福岡や佐賀で栽培されている柑橘類で、酢みかんとも呼ばれるそうです。しっかり酸っぱいけど、くせがない。個人的には、木酢とミルクのミックスにして、爽やかな酸味とミルクの濃厚な味を同時に堪能しております。

おかげさまで、美術館にもゆるやかにお客様が戻ってきてくださっています。本当にゆっくり見ていただけますので、とっても居心地がよいと思います。日常的に、まだまだ密をさけて行動しなければなりませんが、街の中心にほど近く、天井高が4mも5mもある、広々とした美術館の空間は、今こそお役に立てると思っています。自慢のコレクションと、夏休みの子供向け企画(~8月30日まで)で、お待ちしております。よければ、ソフトクリームも。

(館長 岩永悦子)

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コレクション展 近現代美術

ヘンリー・ムーアがやってきた!

ヘンリー・ムーア展の思い出
福岡市美術館にヘンリー・ムーア(1898-1986)の彫刻《ふたつのかたちによる横たわる人体 №2》(1960)がやってきました。西日本シティ銀行からの寄託を受けて、6月23日から公開しています。福岡市美術館は、過去にヘンリー・ムーア大回顧展を開催していますし、20世紀を代表する世界的彫刻家、ヘンリー・ムーアの代表作が美術館で公開とあって、取材も多々あって嬉しい限りです。


取材のために資料を確認していて、ひとつ大きな勘違いをしていたことに気づかされました。私事ながら、美術館で勤め始めたのが1987年の夏。なぜか自分の頭のなかで、「自分が福岡に来る直前にヘンリー・ムーア展が終了した。もう少し早ければ見ることができたのに…」というストーリーになっていて、資料を見て「ムーアが亡くなったのが86年?展覧会も86年?えっ、87年の間違いでは!?」と冷や汗をかき、よくよく調べると、自分の記憶違いであったと…。

ちょっと言い訳をさせていただくと、美術館に入ったばっかりの私は、多くの人から「ムーア展はすごかったね!大濠公園で見る彫刻は素晴らしかったよ」「え、ムーア見逃したの?もうちょっと早く来てればよかったねえ」「惜しいことしたね」と、さんざん言われたのです。みんな、一年前のことなのに、ついこないだのことであるかのように。その情熱を思えば、展覧会を契機にヘンリー・ムーアの彫刻を設置する市民運動ができ、2年の歳月を経て現在博多駅に設置されている《着衣の横たわる母と子》(1983-1984)に結実したことも、納得です。

 

福岡市美術館にとってのヘンリー・ムーア
実は、いままでナイショにしていましたが、いえ、そうではなく、あまり大声で言ってこなかったのですが、福岡市美術館には、あるジャンルにおいて、突出したコレクションがあります。実は、「英国の現代彫刻」のコレクションは、作品の規模、質、カバーする時代といい、確実に国内トップレベルです。

開館から3年後の1982年から1990年、1998年と、当館はブリティッシュ・カウンシルと、3度にわたって英国の現代美術展を開催してきた、ということが基盤になっています。

アンソニー・カロ(1924-2013) 驚きの平面 1974
バリー・フラナガン(1941-2009) 三日月と鐘の上を跳ぶ野うさぎ 1988
デイヴィッド・ナッシュ(1945-) 内側/外側 1984
アニッシュ・カプーア(1954-) 虚ろなる母 1989-90
インカ・ショニバレCBE(1962-) 桜を放つ女性 2019

上記の作品は、すべて現在展示中のもの。1970年代から21世紀まで、英国現代彫刻の代表的作家の大規模作品が、館内外で見ていただけます。

アンソニー・カロ(1924-2013) 驚きの平面 1974

バリー・フラナガン(1941-2009) 三日月と鐘の上を跳ぶ野うさぎ 1988

デイヴィッド・ナッシュ(1945-) 内側/外側 1984

アニッシュ・カプーア(1954-) 虚ろなる母 1989-90

インカ・ショニバレCBE(1962-) 桜を放つ女性 2019

ブロンズという彫刻の伝統的な素材から、自然の樹木をそのまま生かすことや、樹脂や染織品の使用へといった素材の変化、アジアやアフリカにルーツを持つ作家が英国の代表的彫刻家として活動していることなど、これらの作品を通して、時代の変遷も見ていただけると思います。ここに、その原点ともいうべき、ヘンリー・ムーアの60年代の代表作が加わって、当館のラインナップは、現在「英国現代彫刻」の日本最強の展示といえるでしょう。

ぜひ、広大な美術館の内外のスペースで、英国現代彫刻の名品を堪能してください。
(館長 岩永悦子)

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