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福岡市美術館ブログ

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吉祥図像のチカラ

どーも。館長の中山です。先日、麻生太郎財務大臣からのお礼状が届きました。6月にG20財務大臣・中央銀行総裁会議が福岡で開催され,美術館が夕食会の会場になったからです。ご存じのかたも多いと思います。そうでもない?
財務省のホームページには福岡での会議のスナップ写真が80枚以上紹介されていて、当館の特別展示室での夕食会の楽しそうな様子も伝わってきます。特に円山応挙の「竹鶴・若松図屏風」を背に麻生大臣や黒田東彦日銀総裁がアップで映っている写真(下)が印象的でした。麻生大臣は福岡県(飯塚市)出身ですが、黒田総裁も福岡県(大牟田市)のご出身なんですね。


新聞やテレビでは、まとめるのが難しい会議を円満にまとめたことから、「奇跡の金屏風」などと報道された「竹鶴・若松図屏風」は、7月15日まで特別公開してみなさまにもご覧いただきました。こういうのを吉祥図像のチカラ、というのでしょうか。
ところで、20年ほど前のことですが、沖縄の那覇市で1000円の掛軸が大量に売られているのを見かけました。印刷した七福神や高砂図などのチープなもので、「さすがにこれは海外からの観光客でも買わないよね」などと同行の学芸員と話しました。ところがです。いく先々の一般家庭の床の間で、何度もその1000円の掛軸を見てしまったのです。観光土産ではなくて、ちゃんと「正月掛け」として使われている実用品なのです。ようは値段じゃない。描かれているおめでたい図像が大事ということ。わたしも土産ではなく買い求め、その1000円の掛軸を「しあわせ博物館」という特別展で展示してしまいました。博物館に勤めていたころのことです。博物館史上最安値の展示品だったかもしれません。
もちろん、そういう1000円の掛軸と今回の金屏風をまともに比較するつもりはありませんよ。さすがに応挙先生に失礼ですから。

(館長 中山喜一朗)


写真は財務省ホームページから転載

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