2020年6月24日 09:06
まだまだマスクは手放せませんが、少し新型コロナウイルスも落ち着いた感がありますね。とはいえ、油断はできず、電車やバスに乗るのも、躊躇される方は多いのではないでしょうか。しかし、各地の美術館・博物館もだんだんと開館してきています。当館も、5月19日から展示室、カフェ、ショップは開いていますし、美術情報コーナーも現在解放しています。そして、毎月1回実施している美術館職員による講座「つきなみ講座」も再開しました!実は、夏休みこども美術館も、現在準備に入っていて、オンラインでのギャラリートークや、美術館に集まってもらっての少人数ワークショップなども開催する予定です。少しずつですが、安全と皆さんの安心を考えつつ、少しでも多くの方に美術を届けようと、工夫を凝らしつつ「開いていっている」状況です。
そんななか、先日、展示室を回っていると、ある監視員さんから呼び止められました。何かあったのかな、と思って話を聞こうとしたら、「あの、これ、もらってください」と手渡されたものが・・・
そうです、ぬりえです!ブログを読まれている皆さんの中には、覚えておられる方もいらっしゃるかと思います、3月11日と4月29日のブログに「学校に行けなくておうちにいる子どもたちのために」と思ってダウンロードできるようにした手作りぬりえ。こんなところに需要があったとは!しかし、なんというおしゃれな薬師如来立像と金剛力士立像でしょう!草間彌生の《南瓜》模様の衣、そしてインカ・ショニバレCBEの《桜を放つ女性》の衣装と揃い模様の裳(腰に巻かれた布)とは、まさに現代美術と古美術の見事なコラボレーションです。
というわけで、4月29日のブログにも書いたように、皆さんが#福岡市美術館ぬりえ、#福岡市美術館をつけてSNSにあげてくださった彩色したぬりえをここでご紹介したいと思います。ダウンロードくださった皆さま、本当にありがとうございました!
まず最初にご紹介したいのは、《薬師如来立像》。ダントツ人気でした。病を癒してくれるお薬師様が、このご時世、人気が出るのはうなずけます。どのお薬師様も神々しい!
そして、二番人気はまさかの《金剛力士立像(阿形)》でした。布の柄がかわいらしく、おしゃれです。もともと動きのある布ですが、柄のおかげで、さらに動きがあるように思えます。
さらに、野々村仁清《色絵吉野山図茶壺》と尾形乾山《花籠図》のぬりえもありました。お花シリーズですね。オリジナルの《色絵吉野山図茶壺》は桜の風景、《花籠図》は秋の花々の絵なのですが、いずれも季節が違っているような気が・・・。皆さんのぬりえを見て、いかに自分が固定観念に縛られているかを思い知りました。その想像の自由さに脱帽です。
最後に動物シリーズ。狩野探幽《獺図》、《クリシュナ物語図更紗壁掛》(部分)、《コブウシ土偶》さらに「手を洗うこぶうしくん」です。いずれもステキに仕上げてくれています。なかでも、《獺図》のぬりえは、すごい!!ワイルドな塗り方に、かなりのセンスを感じます。また、《コブウシ土偶》はなんとマスク付き!「手を洗うこぶうしくん」と並べておきたいですね。ちなみに、このブログでご紹介する「手を洗うこぶうしくん」は、以前の同僚から、わざわざ送られてきたものです。
それにしても、皆さんのユーモアや想像力には驚かされました!私たちも大いに楽しませてもらいました。今後もステキなぬりえがSNS上に増えていくのを楽しみにしています。
おまけですが、なんとミュージアムショップの皆さんも、ぬりえを楽しんでくださいました。しっかり店頭に並んでいます。
ぬりえは、「なつやすみこども美術館2020」(6月30日[火]~8月30日[日])期間中、美術情報コーナーにも設置します。おいでの際は、どうぞお持ち帰りください。また、下記ブログページからもダウンロードできます。
・ブログ:福岡市美術館の「ぬりえ」ダウンロードしませんか?
・ブログ:オンライン大作戦GWスペシャル~ぬりえ再び
まだやっていない、という方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
(主任学芸主事 教育普及担当 鬼本佳代子)