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行きつ戻りつミュージアムウィーク

こんにちは。教育普及を担当している鬼本です。気が付けば、もう6月・・・暑い・・・そして、ただいま「夏休みこども美術館」の絶賛準備中です。そんな中、ミュージアムウィークについてブログを書かないといけなかったことを思い出し、慌てて記憶の巻き戻しをしています。
え~、まず、「福岡ミュージアムウィーク」とは何か?ですが、国際博物館の日(5月18日)をいいことに?福岡市内の美術館博物館18館が、この日を含む9日間、観覧料割引やイベント、そしてスタンプラリーを行うというものです。すでに館長が「建築ツアー」のレポートをしていますが、当館でも、リニューアルオープン記念展の割引に加え、さまざまなイベントをやりました。ちなみに、「国際」と名前につくからには、何か世界的機構が絡んでいると思ったあなた、勘がいいです。国際博物館会議(ICOM)が、1977年に「5月18日を博物館の日にしよう!」と制定し(意外に昔でした)、毎年、テーマも決めています。今年のテーマはMuseums as Cultural Hubs : the Future of Tradition(文化をつなぐミュージアム―伝統を未来へ―)でした。

 

そんなテーマにふさわしく、ミュージアムウィーク初日の5月18日に、「野村誠コンサート『ノムラノピアノ×福岡市美術館』」を開催しました。実は10年前、当館30周年に、作曲家・音楽家である野村誠さんによるワークショップを開催し、一般参加者と野村さんとで、所蔵品をもとにピアノ曲を作曲しました。このコンサートでは、それらの曲に加え、所蔵品をもとに新たに野村さんが書き下ろした曲など、全31曲を、野村さんご本人に演奏していただきました。美術作品がピアノ曲という新しい表現へと生まれ変わるのは、本当に聞いていてわくわくしますし、ワークショップの体験が、ピアノ曲という形で他の人に伝わったり、残っていったりするということにも、なんだかロマンを感じるじゃないですか!なんとも贅沢な時間でした。

といって、感慨に浸っている暇もなく、翌日は「子ども探検隊」-子ども向けバックヤードツアーです。実はこのプログラム、10年ほど前まで夏休みにやっていたのですが、しばらくお休みしていたところ、せっかくリニューアルしたのだから、子どもたちにもバックヤードを見せて、「美術館って作品保存するためにこんないろいろ気を使ってるんだ~!」ということを改めて伝えようと、このたび復活しました。しかし・・・子どもたちは、館長室で館長からのメッセージに突っ込んだり、空調機械室で驚いたり、と10年前と変わらないのですが・・・こちらの体力が追いつかない!今度やるときは、もっと若い学芸員にやってもらおう・・・と固く誓ってしまいました。

そして、5月25日には毎月恒例のつきなみ講座を、リニューアルオープン記念展期間とミュージアムウィーク期間ということで、特別にゲストを迎えて対談形式で開催しました。ゲストは九州産業大学教授の古賀弥生さん。司会&対談相手は、不肖、鬼本が務めさせていただきました。まずは、古賀さんから障害をもった方が寄席を楽しむための試みについてお話しいただき、その後、福岡市美術館での未就学児童向けプログラムと高齢者プログラムについて語ったあと、美術館になにができるのか、できないのか、ホールでの試みなども絡めながらディスカッションしました。正直、「これからどうする?」という話なので、結論はでないけれど、ともかくも障害を持っているか持っていないかにかかわらず、利用者が選択できる、その選択肢がいろいろあるといいよね、さらに、自分が高齢者になったときに行ってみようか、と言える美術館になっていたいよね、という話で終わりました。

 こんな感じで、筆者的には、過去現在未来を行きつ戻りつ・・・のミュージアムウィークでした。まさに、Museums as Cultural Hubs : the Future of Traditionだったなぁ、というのはこじつけすぎでしょうか?

実は、ミュージアムウィーク期間中も毎日ボランティアさんによるギャラリーツアーがあり、そして週末には学芸員によるギャラリートークもありました。特にボランティアさんのツアーついては、またいずれ書こうかなぁ、というところで、今回のブログは終わりにしたいと思います。
(主任学芸主事 教育普及担当 鬼本佳代子)
 

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