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福岡市美術館ブログ

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学芸課長ブログ

フランスからフジタ展作品が到着!

いま某輸送会社のトラックに乗って、スマホでこれを書いてます。ついさっき、貴重品倉庫からとりだされた、フランスからの作品を格納したクレート(木箱)を積み込み、関空を出て高速道路に乗りました。やっとここまで来たか!

1920 年代に、乳白色の肌の裸婦を描いて、パリで爆発的な人気を博した藤田嗣治の、猫と裸婦の代表作や戦争画を含む大作と、彼が集めたり作ったりした染織品を紹介する「藤田嗣治と彼が愛した布たち」展。いよいよ来週から展示作業がはじまります。いま、それに先立って、学芸員4人が手分けして、全国で集荷の旅に出ています。今回の展覧会で特筆すべきは、フジタが生涯愛蔵した、メゾン=アトリエ・フジタ所蔵の染織品を初公開することです。

本展の最初の一雫は、今を遡ること10年ほど前の「藍染の美筒描」展を開催したときにあります。作品を貸してくださった筒描のコレクターご夫妻が、「フジタは筒描を描いだことがあるんだよ」と教えてくださったのです。調べると確かにそうでした。フランスにまで、持っていったと言われる素朴な藍染の布は、しかし今は行方知れずと、ものの本にはありました。

筒描展をパリのギメ美術館で開催するための出張で、2012年にフジタの終の住処であり、アトリエであった、パリ近郊のメゾン=アトリエ・フジタを訪ねました。フジタが持っていた筒描について調べていると連絡をしたところ、あるともないとも明言されないまま、ではどうぞとの返事。電車とパスを乗り継いで、ひとりエソンヌ県のヴィリエ=ル=バクルという村に向かいます。

道沿いから見えるメゾン=アトリエ・フジタ外観

メゾン=アトリエ・フジタのキッチン。右端の鍋つかみは、フジタのお手製。


ヴィリエ=ル=バクルは、花にあふれた小さな村でした。村の入口から歩いて少しの場所にあるメゾンは、隅々までフジタの手作りの品々に満たされ、おとぎの国のように愛らしい家でした。フジタの寝室に通されたあと、アン・ル=ディベルデル館長は別室に消え、紙に包まれたチューブを持ってこられました。そこに巻かれた布が、フジタが使ったベッドの上に、くるくると広げられ、藍染の布が姿を現した時、なんとも言えない感慨がありました。大切に保管されていた筒描との出会いを含め、メゾンに来ることがなければ、どれほど彼が布好き、裁縫好きであったかも実感できなかっでしょう。

フジタのベッドに広げられた《茶道具文様筒描布団鏡表》。フジタは少なくとも4点の作品に、この布を描いた。


それから少しずつ研究を重ねて、フジタが布好きだったたいう以上に、布を描くことこそ、彼をスターダムにのし上げたのだと思い始めて、いつか展覧会を開催したいと思うようになりました。

10年の歳月を経て、さあ、いよいよという時に、想像もしなかったことが起こります。コロナ禍です。開催半年前になっても、海外とは人の行き来も途絶えたままで、もしかしたらフランスからの貸出は、難しいのでは、と誰もが危ぶんでいました。特に、フジタが自ら縫い上げた衣装など14点は、「イストリック・モニュマン(歴史遺産)」に指定されており、国が管轄する作品です。

本来クーリエ(作品の輸送・展示に立ち会う随行員)なしには、国外にだせない歴史遺産を、アン館長は「これらが欠けたらフジタが布との関わりでどれほどクリエイティブだったかが示せない」と、国に掛け合ってくださいました。本展の意義を感じてくださって、交渉をしてくださったおかげで、なんとか国からの許可がおりました。

昨夜、関空で荷解きをしたパレットからクレートが姿を表した時、喜びと安堵を隠せませんでした。そして、いま、3つのクレートとともに、福岡を目指しています。当館にとっても、初のオンラインによる展示立ち会いを行うことになりますが、まずは、福岡到着を目指して(一刻も早くといいたいところですが、安全運転で)、走行中です。続報も、ブログにて!

到着したばかりの作品のクレート


(学芸課長 岩永悦子)

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アフリカンプリントの夏

8月末だけど、まだ、夏ネタでもいいですよね。十分暑いですよね。
さて!ついに、念願のアフリカンプリントの扇子を買いました!

同僚のK課長が、一見和風だけどアフリカンプリントという、素敵な扇子を使っておられたのを見て、「いやー、やっぱりいいわ!夏は扇子だ!」と、休み時間にショップに直行。いくつか目星をつけていたのがあったのですが、新顔がずいぶん増えている…。

うわ。水玉でかっ。でも、なんか涼し気。というわけで、一目惚れ。あっさり決まりました。

買ってから、「なぜこれにしたのか」を振りかえってみました。(藤井八段の気分?)
煎じ詰めれば理由はふたつ。

1 水面をみているような心地よさ
2 謎な模様

よく考えると、これ、両方ともアフリカンプリントならでは、なのでした。

アフリカンプリントは、「アフリカン」といいながら、ルーツはインドネシアのバティック(ろうけつ染め)だし、工場で生産してアフリカに売り込んだのは、ヨーロッパ人や日本人だし、なかなかに複雑な歴史を抱えています。アフリカンプリントは大胆な柄と鮮やかな色彩が魅力。でも、アフリカンプリントの最大の特色は、アトランダムな白地の部分なのです。


布の上にワックスを置いた部分は染料に浸しても染まらないので、白地になります。白くするためにやっているので、こんな風にひびわれて青い染料が浸み出している状態って、本来的には不良品。でも「本当にろうけつ染めをしているからこそ、こんなひび割れができるわけです。1点、1点ちゃんとろうけつ染めで作っている証拠です!」というわけで、「高級品の証拠」として、あえてひび割れを作るようになりました。

水面を見ているように感じたのは、ひび割れが作るアトランダムな模様のなせるわざでした。どちらも自然に生まれる形だからなのでしょうね。

それにしても、この青い円はなんなんだ。結局謎のままなのですが、これもアフリカンプリントの楽しみではあります。アフリカンプリントを見れば見るほど、見知らぬ果物や、不思議な道具?にしょっちゅう出会います。初めてみる形に出会うと、グローバルな時代といっても、まだまだ知らないことばっかりだと、地球の大きさに打たれます。

というわけで、個人的には「わかった!これはきっとアニッシュ・カプーアの《虚ろなる母》だ!」と、妄想しております。この夏、当分この妄想で涼めそうです。

(館長 岩永悦子)

アニッシュ・カプーア《虚ろなる母》 2階コレクション展示室で、ぜひご確認ください。(←いや、絶対ちがうって 笑)。

共布のさやもついています。

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晴れました!

今日、福岡市はひさびさに晴れ!というわけで、ひさびさに、昼休みを美術館のカフェで過ごしました。お目当ては、これです。夏になると、いろんなところに、ソフトクリームの大きな立体の看板?が出てきますよね。普通は「ああー」と思いつつ、通り過ぎるわけですが、職場で毎日遭遇するとなると、誘惑に抗しきれない…。

ソフトクリームにもいろんなフレーバーがありますが、美術館のカフェのおすすめは、「木酢(きず)」。木酢は、福岡や佐賀で栽培されている柑橘類で、酢みかんとも呼ばれるそうです。しっかり酸っぱいけど、くせがない。個人的には、木酢とミルクのミックスにして、爽やかな酸味とミルクの濃厚な味を同時に堪能しております。

おかげさまで、美術館にもゆるやかにお客様が戻ってきてくださっています。本当にゆっくり見ていただけますので、とっても居心地がよいと思います。日常的に、まだまだ密をさけて行動しなければなりませんが、街の中心にほど近く、天井高が4mも5mもある、広々とした美術館の空間は、今こそお役に立てると思っています。自慢のコレクションと、夏休みの子供向け企画(~8月30日まで)で、お待ちしております。よければ、ソフトクリームも。

(館長 岩永悦子)

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