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珠玉の近代絵画─「南国」を描く。
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ポスターとチラシ完成!
珠玉の近代絵画─「南国」を描く。

まもなく展覧会シーズンがはじまります。
春と秋は、日本中の美術館でいろんな展覧会が目白押しですね。
当館でも、10月11日~11月24日に特別展「珠玉の近代絵画─「南国」を描く。」を開催します。
そのポスターとチラシが完成しました!
ポスターは館内で様々な仕事に携わる全スタッフ、たまたま事務所に訪れたお客様による人気投票を経て決まりました。下記の写真は投票の様子です。

デザイナーさんからは、たくさんのアイデアを出していただきました。
1度の人気投票ではなかなか決まらず、最後は数枚に絞って決戦投票。下記が決定したポスターです!

どうです? 
嘴をあけて鳴こうとする極楽長と、降り注ぐ白い蘭と、ワサワサと折り重なる椰子の葉と……酷暑のいま見ると暑苦しい?! かもしれませんが、ともかく熱帯の空気がムンムンと寄せてきそうなイメージに仕上がりました。
ポスターになった作品は、下記の石崎光瑤《熱国妍春》(1918年制作、京都国立近代美術館所蔵)です。

石崎光瑤《熱国妍春》(1918年制 京都国立近代美術館所蔵)

石崎光瑤は1916年末から半年ほど、仏教美術の研究を目的にインドを遊歴します。そのときに見た熱帯の植物や鳥を大胆な構成で豪華絢爛な屏風に仕上げました。タイトルが示すように、幾種類もの植物が「わが世の春」さながらに妍を競っています。
圧巻の屏風は、ぜひとも展覧会場でご覧ください。

実は、チラシについては、表面を2種類作成していただきました。投票でも人気があり、わたしがとても迷っていたら、根負けしたデザイナーさんが2種用意してくださった次第です。ありがとうございました。一生の思い出になります。

1種は、ポスターと同じデザインです。

そしてもう1種類は、まさに「幻想の楽園」という言葉が浮かんできそうな、たいへん優美なイメージです。
どちらがお好みでしょうか? ポスターとチラシの配架をお願いする各所には、どちらか1種類のチラシをお届けいたします。 
エッ?!両方ともほしい? そういう方はぜひ当館のロビーでお取りください(展覧会の観覧もお忘れなく!)。

ちなみに、このチラシのイメージは、荒井寛方《薫風》(1919年制作、さくら市ミュージアム -荒井寛方記念館-所蔵)からとられています。孔雀が1羽増えていまけど(笑)。

荒井寛方《薫風》(1919年制作 さくら市ミュージアム -荒井寛方記念館-所蔵)

まるでティアラをつけた女王さまのような孔雀が、多種多様な植物が美しく剪定された庭園を優雅に逍遥しています。
荒井寛方も、石崎光瑤と数日違いでインドに出発します。寛方の場合は、アジア初のノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴールの依頼で、コルカタの美術学校で日本画を教えるために渡っています。1年半の滞在中には、アジャンター石窟の模写にも携わり、インド各地を巡って風景や動植物や風俗をスケッチしています。
この《薫風》はインドから帰国した間もない頃に発表した作品で、テーマも鮮やかな色彩も当時評判になりました。

ちなみに、表面は2種類のチラシですが、裏は共通しています。

会期中には、今日、紹介した作品に登場する植物をメインにしたギャラリートークも予定しています。実は、実存する植物と架空の植物が描かれているんです。トークでは、画家が、写生に基づきながらも自由な想像を交えて制作した様子もお伝えできることでしょう。会場でお待ちしています。

(近現代美術係 係長 ラワンチャイクン寿子)

 

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