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福岡市美術館ブログ

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カテゴリー:教育普及

教育普及

「tupera tuperaのかおてん.」絶賛準備中!

 「tupera tupera」というと、小さいお子さんをお持ちの方や、絵本好きの方は「あの、絵本の・・・」とピンと来られるのではないかと思います。筆者の友人の小さな子どもたちも『やさいさん』や『パンダ銭湯』が大好きですし、大人の方にもファンは多いのではないでしょうか?かくいう筆者も、「モノモノノケ展」(2017年に今はなき天神のアートスペース・アルティアムで開催)に行っていたり、久留米市美術館で開催された「tupera tupera 絵本の世界展」(2019年開催)に行って、立体になった「パンダ銭湯」に浸かって楽しんだりしています。
 実は、亀山達矢さんと中川敦子さんによる、この人気クリエイティヴ・ユニット「tupera tupera」の展覧会が、7月1日(金)から8月21日(日)まで福岡市美術館にやってくるのです!テーマは、お二人のアイデアの源泉ともいうべき「顔」。というわけで、展覧会担当の筆者は、現在絶賛準備中です。
 さて、この「tupera tuperaのかおてん.」は、東京の立川市にあるPLAY! MUSEUMを皮切りに、いわき市立美術館、あべのハルカス美術館、高松市美術館を巡回し、当館にやってきます。展覧会担当者として、まずはいわき市立美術館へ視察に行ったのですが・・・どうやらその後の会場で、展覧会がちょっとずつ進化しているらしい(!)というのを聞き、ほとんど追っかけのように、あべのハルカス美術館にも高松市美術館にも行ってしまいました。このブログを見ている皆さんにちょっとだけ、各会場のようすをお見せします。

いわき市立美術館

いわき市立美術館 展覧会場の外にも顔が!当館でも会場の外のあちこちに顔が出没する予定。

あべのハルカス美術館 かおパーツの展示。当館ではちょっと違った展示になるかも?

高松市美術館 1階ロビーには巨大な「スーパーご長寿SHIWA MEIRO」がありました!福岡では・・・?

高松市美術館 何気なく通路を歩いていたら、矢印きょうだい発見!

というわけで、確かに!会場ごとにそれぞれの楽しみが詰まっていました。え?これだけ?展覧会の内容は?と思われるかもしれませんが、展覧会の中身はぜひ福岡市美術館でご覧ください。筆者自身も、当館でどんな「顔」が出現するのか未知の部分もあり、ワクワクしています。

 他にも関連イベントを開催します。下記に情報掲載しています。中でも絵本ライブは、福岡を中心に活動する音楽ユニット、ザ・スタッカーツをゲストに迎えますので、福岡ならではの特別な時間になること間違いなし!皆さん、お見逃しないよう、ぜひご参加ください!

●サイン会
日時:令和4年7月2日(土)①11:00~12:00 ②13:00~14:00
会場:福岡市美術館 1階アートスタジオ
定員:先着50組(各回25組。1組1冊、1組は1~4名まで)
参加方法:会場内特設ショップで公式ブック『かおPLAY!』をご購入いただき、レジにてサイン会の参加券をお受け取りください。
【参加券のお渡し】7月1日(金)9:30~先着順
 ※特設ショップは展覧会会場内にあります。特設ショップのみの入場はできません。

●絵本ライブ
アコーディオンとパーカッションのユニット ザ・スタッカーツを迎え、tupera tuperaによる絵本ライブを開催します。
日時:令和4年7月3日(日)13:30~15:00 ※13時受付・開場
会場:福岡市美術館 1階ミュージアムホール
定員:180名(要事前申込)
参加方法:WEBサイト「アルトネ」で受付中
アルトネイベント申し込みページ
https://fihb.f.msgs.jp/webapp/form/22521_fihb_253/index.do

※ご参加には本展のチケット半券又はARTNEチケットオンラインのQRコード(使用後でも可)が必要です。
※応募多数の場合は抽選とさせていただきます。
※当選者の発表は参加券の発送をもってかえさせていただきます。
※未就学児も参加可能。但し、保護者同伴でお願いします。
締切:6月15日(水)

●tupera tuperaのワークシートで遊ぼう!
※tupera tuperaが行うワークショップではありません
展覧会公式ブック『かおPLAY!』のワークシートで遊ぼう!
日時:2022年①7月29日(金)②8月17日(水)いずれも10:00~15:00
会場:福岡市美術館 1階 アートスタジオ
参加方法:申込不要 上記の時間中に会場においでください。ただし、混雑時には利用を制限させていただく場合がございます

(主任学芸主事 鬼本佳代子)

 

 

教育普及

5月18日は国際博物館の日です!

 5月14日(土)から福岡ミュージアムウィーク2022が始まっております。5月22日(日)までの期間中、当館をはじめ、福岡市内の19の館・施設で観覧無料や割引があったり、講演会やバックヤードツアーなどのイベントが実施されたりします。当館でも、ボランティアによるオンラインギャラリートークや建築ツアー(いずれも事前申込制で締め切りました。すいません!)や、5月22日には講演会を開催したりします。もちろん、当館でもコレクション展はこの期間中無料ですので、多くの方においでいただきたいと思っています。また、5月22日の講演会は当日受付先着順ですので、ぜひぜひご参加ください。テーマは「現代美術を未来に残すには?~ナム=ジュン・パイクのビデオインスタレーションを巡って」です。
福岡の人たちにはなじみのキャナルシティ博多に設置された、ナム=ジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》。その修繕の軌跡を追うとともに、現代美術の保存の課題と意義などについて話します。

ナム=ジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》©YSK

講演会情報はこちら。
https://www.fukuoka-art-museum.jp/event/31733/

 ところで、この福岡ミュージアムウィークはそもそもどうして始まったのでしょうか?実は、「国際博物館の日」を記念して開催されるようになったのです。「国際博物館の日」は、国際博物館会議(International Council of Museums, 通称ICOM)という138の国・地域が登録し41,000人の会員のいる国際的な博物館の組織が決めたもので、5月18日がその日なのです。毎年テーマがあり、今回のテーマは「博物館の力:私たちを取り巻く世界を変革する」。壮大なテーマですね。実は今、博物館が世界を変革するという以前に、世界的にも博物館自体が大きな変革の時期にあると言っていいと思います。というのも、ICOMでは、3年に1度「世界大会」という会合を開いているのですが(2019年は京都で開催されました!)、今年の8月にプラハで開催され、そこで新しい「博物館の定義」が発表されるようなのです。

ICOM大会についてはこちら。ご興味ある方はご覧ください。
https://icomjapan.org/icom-general-conferences/

また、日本でも、この4月に博物館法が改正され、法律の上でも博物館が担う社会的な役割というのがより広くなりました。

新しい博物館法についてはこちら。ご興味のある方はご覧ください。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/mext_00022.html

 社会の変化につれて、美術館・博物館も変化しなければならないということだと、改めて思う今日この頃です。確かに、筆者は25年前に教育普及専門学芸員として美術館に入りましたが、その時に比べると、教育プログラムの対象も内容も、現在はものすごく多様化しました。福岡ミュージアムウィークでも、ベビーカーツアーやオンラインギャラリートークなど、初めて開催した2009年にはなかったプログラムが、いまや定番化しつつあります。

初めてのベビーカーツアー

オンラインギャラリートーク

 今後も、「博物館の力」が皆さんに届くよう、社会の変化を感じとりながら、新しい教育プログラムを考え、実行していきたいと改めて思う「国際博物館の日」でした。
(主任学芸主事 鬼本佳代子)

 

 

 

 

教育普及

大濠公園タンポポのミステリー

ソメイヨシノの季節は過ぎましたが、美術館の周囲はツツジや八重桜が満開で、春真っ盛りです。

春の花の中でも、多くの人になじみがあるものの一つと言えば、タンポポではないでしょうか。筆者も小さいころよく綿毛をとばして遊んだものです。福岡市美術館のある大濠公園でも、あちこちでタンポポを見かけますが・・・実はこの大濠公園のタンポポには一つのミステリーがあるんです!

それはリニューアル前のこと、某博物館の知人から一本の電話がありました。

知人「5年に1回、西日本でタンポポの大規模調査っていうのをやってるんだけど、美術館でその説明会できない?」

私「いや、タンポポは美術に関係ないし、なんでうちでやるんですか?植物園でやったほうがよくないですか?」

知人「いやいや、大濠公園にある福岡市美術館でやるのに意味があるんですよ。もしかしたら、大濠公園周りのタンポポは、黒田官兵衛に関係あるかもしれないんです。福岡市美術館には、黒田家が持っていた美術作品が所蔵されてますよね?」

私「え?タンポポと黒田家がどう関係あるんですか!?」

 と、その答えというか推理を書く前に、まずは基本情報として、黄色く可憐なこの花、一見同じように見えるのですが、日本に元から自生する在来種と海外からやってきた外来種とがあるそうなのです。さらに、在来種の中でもいくつか種類があって、大濠公園まわりに咲く在来種のタンポポは、関西地方でよく見かける「カンサイタンポポ」なんだそうです。植物のことをまったく知らない私でもだいたいわかる見分け方としては、花の根元の部分がカールしていたらセイヨウタンポポ、カールしていなければカンサイタンポポの可能性大、だそうです。

赤丸の部分がカールしていない

 さて、知人曰く、

「九州北部ではほとんど見られないカンサイタンポポが、大濠公園周りではまとまって見られる。これはきっと黒田家が関西から九州に国替えになったときに持ち込んだに違いない」

とのこと。ほんまかいな・・・と思いつつ、実際に美術館近くのタンポポを見てみると、花の根元がカールしていないものがたくさん!これは在来種だったのか~。

カールしていない!

微妙にカールしているものもあります。これは外来種?

もちろん、黒田官兵衛が持ち込んだかどうか、推測の域はでませんが、でも、その春以来、タンポポを見、そして、展示室の中で黒田資料を見ると、はるばる関西からやってきた黒田家の人々のことを想像してしまいます。

黒田資料は、現在開催中の「流れゆく美 日本美術と水」にて9点展示されています。ぜひ、大濠公園のタンポポと合わせて、ぜひこちらもご覧ください。

 

主任学芸主事(教育普及) 鬼本佳代子

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