2025年6月25日 10:06
6月8日(日)に当館ボランティアを対象にした館外研修を実施しました。館外研修では、毎年1度、館外の美術館・博物館を訪問し、ボランティア活動を見学させていただいたり、お話をうかがいながら交流をしたりしています。今年は、当館ボランティア約40名で北九州市の門司を訪問しました。
出光美術館(門司)に到着
出光美術館の館内のようす
この日は、始めに出光美術館(門司)を訪問しました。近くには、トロッコ列車の「出光美術館駅」があり、この時間に偶然通過したトロッコ列車に手を振りながら、私たちの期待も一緒に走り出しました。出光美術館では、開催中の展覧会「開館25周年記念 珍獣、瑞獣、怪獣!-シンボルの造形美」を鑑賞しました。伊藤若冲《鳥獣花木図屏風》が門司にやってくる!ということで、皆ワクワクを隠しきれません。展示室では、同作をはじめとする出光美術館の素晴らしいコレクションを、時間をかけてゆっくり堪能することができました。ちょうど訪問時には同館学芸員による列品解説があり、当館ボランティアたちも、学芸員の方のお話にじっくりと耳を傾けていました。
近くにはトロッコ列車の駅
偶然トロッコ列車が通過
出光美術館を後にし、次の場所へ移動する途中で、曇り空から雨がパラパラと落ちてきました。一抹の不安を抱えながら4名の北九州市観光ボランティアさんたちと合流し、門司港レトロ地区の歴史的建造物をご案内いただきました。ご存じの方も多いかもしれませんが、門司は北九州市を代表する観光名所として知られており、大正時代の近代建築が数多く保存、活用されています。実は今回、同地区の歴史的建造物についてツアーをしていただいたのには理由があります。それは、最近、福岡市美術館の建築を見るために来館されるお客様が増えているということです。福岡市美術館の設計者は、前川國男。若い日に、世界的建築家であるル・コルビジェに師事した日本近代建築の巨匠です。当館ボランティアの中にも建築が好きな方も多く、今回の門司建築ツアーも楽しみにしていました。
門司港レトロ地区の建築を鑑賞中
港から下関を見ることができました
その後も、観光ボランティアの皆さんに、門司港レトロ地区の建築と歴史について、丁寧にご案内いただきました。普段、当館で所蔵品を紹介するツアーを行うギャラリーガイドボランティアの皆さんは、今回はツアーに参加する側を体験することで、いろいろな気づきがあったようです。
趣ある門司港駅のホーム
門司港駅の歴史についてお話を聞きました
約1時間の門司港レトロ地区のツアーはあっという間に終了。観光ボランティアの皆さんとの交流はもちろん、私たちも参加者として門司港レトロの歴史や建物を大変楽しませていただきました。最後は、ツアーでも紹介があった旧門司三井倶楽部の中にある、レストランでの昼食。メニューは門司名物の焼きカレー!ということで、一日を振り返り、楽しい館外研修も終了となりました。
館外研修では、普段のボランティア活動とは違った楽しみや、人との交流があるのが醍醐味です。日頃は4つのグループに分かれて(ギャラリーガイド/新聞情報/図書/美術家情報整理)ボランティア活動をしていますが、グループの垣根を越えた交流と、また館外のボランティアの皆さんとの新しい出会いがあった館外研修でした。
門司港名物の焼きカレー
(教育普及係 﨑田明香)