2019年7月11日 17:07
福岡市美術館のリニューアルオープンからはや3ヵ月。カフェ「アクアム」(1階)とレストラン「プルヌス」(2階)の“売れ筋商品”をピックアップしてみました!!
カフェ「アクアム」(1階)
軽食、デザート、ドリンク類などご用意しています。大濠公園側からの入店も可能なのでふらっと気軽に立ち寄れる店内です。全てのメニューがテイクアウトできるのでお天気の良い日は屋外で飲食を楽しむこともできます。人気商品はこちら。
● 「大濠シュー」 ¥432
大濠公園の新緑をイメージした八女星野産の抹茶クリームに九州産生クリームをサンドしました。福岡市美術館だけで味わえる一品です。
●「ケーキセット」¥810
ホテルメイドのスイーツ 4種のケーキ(ショートケーキ、ロールケーキ、オペラ、チーズケーキ)とコーヒーのセットです。
そして「お土産にしたい!」とホテルスイーツは大変喜ばれています。他にも、「厚焼きタマゴサンドウィッチ」(¥540)や、チキンベーコン野菜サンドウィッチなど、福岡市美術館オリジナルの塩パンのサンドウィッチは人気です。
レストラン「プルヌス」(2階)
洋食を中心に和食、中華とホテルの味をバラエティ豊かに提供しています。美術鑑賞の合間のランチでお楽しみいただいていることもあり、上位人気メニューはこちらです。
●「ミュージアムランチ」 ¥1,836
●「松花堂弁当」 ¥2,160
続いて、「パスタセット」(¥1,620)、「中華あんかけ麺セット」(¥1,296)、「オムレツセット」(¥1,620)と、ニューオータニ博多の和・洋・中と、ホテルクオリティを感じていただけるメニューでみなさんに喜んでいただいています。
福岡市美術館のアート鑑賞とともに、素敵なひとときを過ごす場所としてレストラン&カフェもぜひご利用ください。
カフェ「アクアム」
営業時間:9:00~19:00 (ラストオーダー18:30)
※7月~10月の金・土曜日 9:00~20:00 (ラストオーダー19:30)
レストラン「プルヌス」
営業時間
平日:11:00~20:30(ラストオーダー 19:30)
土・日・祝日:09:30~20:30(ラストオーダー 19:30)
TEL 092-983-8050
HP: http://www.kys-newotani.co.jp/hakata/restaurant/museum-restaurant/
2019年7月2日 19:07
リニューアル工事のため、2年ほどお休みしていましたが、古美術企画展示室ではいよいよ田中丸コレクション展がはじまりました。(7/28まで)
その間、「絵唐津あやめ文茶碗はいつ見られるのか?」と多くの方からお問い合わせをいただきましたが、ようやく展示することができました。
《絵唐津菖蒲文茶碗》(重要文化財)田中丸コレクション
開催中の田中丸コレクション展は、唐津焼と高取焼をテーマに福岡市美術館の所蔵品を含めた合計52件を展示しています。
今回、はじめての試みとして、唐津焼と高取焼を生産した〝窯跡〟を表記し、地図上でその〝窯跡〟の場所が確認できるよう古窯跡分布図をパネルにしています。「唐津焼古窯跡分布図」は河川や当時の街道を記したもので、意外なことにこれまで作成された唐津焼の古窯跡分布図にはなかった地図なのです。
この地図によって〝窯跡〟というのは、川沿いにある程度まとまって築かれ、街道近くに集中していることがわかります。当時はこうした街道を通って唐津焼の製品が続々と港へ運ばれていたのだなぁ、などと往時を偲びつつ、唐津焼を立体的な視点で鑑賞していただけるのではないかと思っています。
この「唐津焼古窯跡分布図」は、唐津市教員委員会の陣内康光さんに心良くご提供していただいたものです。この場を借りて御礼申し上げます。
「唐津焼古窯跡分布図」詳細はぜひ展示室でご覧ください。
ところで福岡市美術館のリニューアル工事に伴って、古美術企画展示室も黒と白を基調としたモダンな展示室に改装されているのをご存知でしたか?
展示ケースの照明が、色や明るさを自由に調節できるようになり、ガラス越しとはいえ焼物本来の微妙な質感や釉調を感じられるようになっています。
以前にも増して、田中丸コレクションの器がとても鑑賞しやすくなっていますので、ぜひ足をお運びください。
(一般財団法人田中丸コレクション 学芸員 久保山炎)
2019年6月28日 12:06
どーも。館長の中山です。「福岡城だより」というNPO法人福岡城市民の会の広報誌の巻頭言(600字程度)を依頼されました。内容は、「福岡市美術館と福岡城(黒田藩)」にしてくださいということだったのですが、そんなことが書類に書いてあるのを知らずに(つまりちゃんと書類を読まずに)、最近あたまに浮かんでいることをちょこちょこっと書きました。なので、たぶん採用されずに書き直しになる公算が大です。まだ締め切りは先ですし。
それで、「せっかく書いたのに…。そうだ、ブログだ」と思いつきました。今回は、その原稿にちょこちょこっと手を入れて投稿します。ひょっとすると、巻頭言に採用されてしまうかもしれません。そのときはすみません。使いまわしになります。どっちがどっちの使いまわしか、ややこしいですけど。
*
「埋蔵文化財も古美術でしょ?」と問いかけられたことがあります。「発掘品と伝世品、つまり地上から一度は失われたものと、ずっと守られ伝えられてきたものという違いはありますよ」と答えた記憶もあります。一方で、「火事のときはこれ持って逃げろ、と言われたから相当な値うちがあるはずだ」という掛軸を持ちこまれ、答えに困って「処分などしないで大切にしてください」と顔をゆがめて返答をしたことは一度や二度ではありません。
ミュージアムは収集資料を選びます。一応、淘汰といえるでしょう。選んで収集したものは保存し続けます。だから所蔵資料は確実に増え続ける。埋蔵文化財の場合、福岡のように掘れば何かが出てくる歴史ある土地ならなおさらです。破滅的な自然災害がなければ、それらはずっと地上から失われずに増えていくわけで、ちょっと未来が心配になります。
美術館と違い、博物館が扱う歴史資料は、近代以降の資料であっても一定の時間的な経過にともなって、これを保存し継承しようとする市民の意思が働いています。学芸員は民意の代弁者として資料を調査し、アーカイブするわけです。アーカイブして、ようやく名前もない得体のしれないものが文化財になるともいえます。ポップカルチャーやサブカルチャーのポップやサブを取り去るのにもアーカイブは必須です。いつでも再検証して位置づけ、価値づけができるアーカイブズがなければ、消費されて失われていくだけだからです。だから「なにこれ。わけわかんない」みたいなものをとりあげて展覧会に仕立て、ときには収集してアーカイブする美術館の学芸員は、「むかしは訳がわからなかったけれど、いま見るとすごくいいね」などと来館者に言われると、ほっとして胸をなでおろし、にわかに知ったかぶりの解説をはじめるのです。淘汰もアーカイブもなかなか難しいなあ。
(館長 中山喜一朗)
発掘品代表「壺形土器」重要文化財・松永コレクション
伝世品代表「吉野山図茶壷」重要文化財・松永コレクション