2019年7月25日 15:07
どーも。館長の中山です。先日、麻生太郎財務大臣からのお礼状が届きました。6月にG20財務大臣・中央銀行総裁会議が福岡で開催され,美術館が夕食会の会場になったからです。ご存じのかたも多いと思います。そうでもない?
財務省のホームページには福岡での会議のスナップ写真が80枚以上紹介されていて、当館の特別展示室での夕食会の楽しそうな様子も伝わってきます。特に円山応挙の「竹鶴・若松図屏風」を背に麻生大臣や黒田東彦日銀総裁がアップで映っている写真(下)が印象的でした。麻生大臣は福岡県(飯塚市)出身ですが、黒田総裁も福岡県(大牟田市)のご出身なんですね。
新聞やテレビでは、まとめるのが難しい会議を円満にまとめたことから、「奇跡の金屏風」などと報道された「竹鶴・若松図屏風」は、7月15日まで特別公開してみなさまにもご覧いただきました。こういうのを吉祥図像のチカラ、というのでしょうか。
ところで、20年ほど前のことですが、沖縄の那覇市で1000円の掛軸が大量に売られているのを見かけました。印刷した七福神や高砂図などのチープなもので、「さすがにこれは海外からの観光客でも買わないよね」などと同行の学芸員と話しました。ところがです。いく先々の一般家庭の床の間で、何度もその1000円の掛軸を見てしまったのです。観光土産ではなくて、ちゃんと「正月掛け」として使われている実用品なのです。ようは値段じゃない。描かれているおめでたい図像が大事ということ。わたしも土産ではなく買い求め、その1000円の掛軸を「しあわせ博物館」という特別展で展示してしまいました。博物館に勤めていたころのことです。博物館史上最安値の展示品だったかもしれません。
もちろん、そういう1000円の掛軸と今回の金屏風をまともに比較するつもりはありませんよ。さすがに応挙先生に失礼ですから。
(館長 中山喜一朗)
写真は財務省ホームページから転載
2019年7月23日 17:07
夏はやっぱり“ひんやり”がキーワード。見ても飲んでも涼しくなれる逸品が人気!
福岡市美術館にも、そんな爽やかなグラデーションで夏を楽しむこだわりのメニューが登場しています。
1階のカフェ「アクアム」の夏限定“フラッペ” 2種!
「Rainbow」 ¥540
鮮やかに彩られたフラッペは見た目も抜群! フランス産のミントシロップをふんだんに使用した特製シロップはスッキリしたなかにも本格的な深い味わいを感じる一品です。
「RIKYU~抹茶ミルク~」¥648
ホテルニューオータニ博多での不動を誇るフラッペ“星の利休”をカフェ風にアレンジ
上質な抹茶とミルクをブレンドしたオリジナルシロップに特製のあんこを添えて。
さらに、2階のレストラン「プルヌス」では、テラス席を開放して「ミュージアムビアプラン」を提供中です。
仕事帰りの“ちょっと一杯”から、お仲間との納涼会など、用途に合わせた内容でプランをお選びいただけます。どうぞレストランスタッフにお気軽のご相談ください。
カフェ「アクアム」
営業時間:9:00~19:00 (ラストオーダー18:30)
※7月~10月の金・土曜日 9:00~20:00 (ラストオーダー19:30)
レストラン「プルヌス」
営業時間
平日:11:00~20:30(ラストオーダー 19:30)
土・日・祝日:09:30~20:30(ラストオーダー 19:30)
TEL 092-983-8050
HP: http://www.kys-newotani.co.jp/hakata/restaurant/museum-restaurant/
2019年7月15日 11:07
最近「ボランティア」って言葉が社会に浸透してきましたよね。検索サイトで「美術館 ボランティア」と検索したら、8,100,000件ヒットしました!すごい。全国の美術館・博物館でもボランティア活動が一般的になってきました。
実は、福岡市美術館ボランティアの歴史は長く、開館3年前の1976年からスタートし今年で43年になります。ちなみに、日本の美術館で初めてボランティア活動を始めたのは同じ福岡県の北九州市立美術館で、1974年から。当館も北九州に続けと、2年後の1976年から活動を開始しました。
当館のボランティアは大きく4つのグループに分かれています。
まず始めに「ギャラリーガイドボランティア」。毎日11時と14時にギャラリーツアーを行い、展示作品を紹介します。紹介する作品はボランティアが選ぶので、一期一会。予約なしで当日参加できます。ほかにも、学校団体向けにスクールツアーや、作品の見どころを簡単にご紹介するハイライトツアー、そして最近は英語ツアーも始めました。
ギャラリーガイドボランティアの研修の様子。
次にご紹介するのは「新聞情報ボランティア」。各紙に掲載される美術情報の記事をすべて切り抜きクリッピングしています。この情報は、例えば展覧会図録で美術家の略歴をつくる際などに、大変貴重な資料になります。
続いては「美術家情報ボランティア」、通称DMボランティアです。みなさんDMって分かりますか?そう、ダイレクトメールです。活動中のアーティストは個展などを開くとき、広報のためにDMを送ります。当館にも世界各国から多くのDMが日々届きます。それらを整理し、データ入力しています。
新聞情報ボランティアの活動風景。
最後を飾るのは「図書整理ボランティア」。当館にはなんと8万冊の蔵書があり(図書館並み!)、美術図書や展覧会図録などの整理をしています。
実は以前、当館の季刊誌「エスプラナード」(2017年7月号No.188)でボランティアさんが表紙を飾りました。ボランティア活動の詳細についてもこちらをご覧ください。
さて、美術館のボランティアって美術に詳しくないとダメなんでしょ、と躊躇するかもしれませんが、そんなことはありません。仕事をリタイアしたり、子育てが一段落したりして新しいことを始めたい!という方はもちろん、最近は平日に仕事をして週末にボランティア活動をという方も増えています。年齢も20代から80代までバラバラです。ご紹介した以外にもワークショップのサポートや、館外研修、交流会、と楽しく活動をしています。
10年以上ボランティア活動を続けてくださった方に感謝状を贈呈しています。
改めて、ボランティアさんたちのサポートがあって、美術館の活動は成り立っています。本当に感謝です。みなさん、なんだか興味が湧いてきたでしょう。なんと今年は5年に1度の募集の年なんです。ここで知ったも何かの縁。ご応募お待ちしております。
(学芸員 教育普及担当 﨑田明香)